
「僕、プロ野球選手になりたい!」お子さんがそんな夢を語った時、あなたはどのように受け止めますか?「すごい夢だね!」と応援したい気持ちと、「正直、どう応援したらいいか分からない…」という不安が入り混じるのではないでしょうか。でも野球に詳しくないママさんパパさんでも、子どもの夢を応援する方法はたくさんあります。このサイトでは、子どもの夢を尊重しながらも、現実的な視点で親ができることを整理して、分かりやすく解説していきます。親子で夢を追うための第一歩を踏み出しましょう。
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1.子どもの「プロ野球選手になりたい!」をどう受け止める?
(1)子どもの夢を尊重し、肯定的な言葉で迎えましょう
お子さんが「プロ野球選手になりたい!」と目を輝かせながら言ってきた時、親としてまず大切なのは、その夢を肯定的に受け止めることです。たとえ現実的に難しいと感じたとしても、「そんなの無理だよ」といった否定的な言葉は避けましょう。この時期の夢は子どもの成長にとって大切な原動力となります。まずは「すごいね!応援するよ!」と、温かい言葉で包み込んであげてください。一緒に夢に向かう姿勢を示すことで、子どもの自己肯定感を育むことができます。夢を持つこと自体が、子どもの人格形成に大きく影響することを理解しておきましょう。


(2)興味を持って、一緒に学び、自分で考えることをサポートしよう
野球に詳しくなくても大丈夫。一緒にル-ルや選手を調べることで、子どもとの会話が増え、信頼関係も深まります。「プロ野球選手になるためには、どんな努力が必要だと思う?」という質問をして、子ども自身が考える機会を作る。また「次は10回続けてキャッチしてみよう」など夢を目標に置き換えるようサポートしましょう。そういった対話を通じて、子どもが自分で考える習慣や具体的な目標を設定する力を養うことになります。


(3)一緒に夢を追いかける「チーム」の一員になる意識を持とう
お子さんの夢は、お子さん一人のものではありません。親も一緒に夢を追いかける「チーム」の一員として、前向きな姿勢で関わることが大切です。日々の練習を応援したり、試合を観に行ったり、時には一緒に野球を楽しんだりすることで、お子さんは「自分は一人じゃない」と感じ、より一層夢に向かって努力できるようになるでしょう。


2.そもそも野球ってどんなスポーツ?プロになるには?
(1)野球というスポーツの特長と魅力
野球は個人技とチームワークの両方が求められる複合的なスポーツです。バッティング、守備、走塁といった個人スキルの向上と同時に、チームメイトとの連携や戦略的思考も必要となります。また、失敗から学ぶ機会が多いスポーツでもあり、メンタル面の成長にも大きく貢献します。プロを目指さなくても、野球を通じて得られる協調性、忍耐力、判断力は、将来どんな道に進んでも活用できる貴重な財産となるでしょう。そしてプロ野球は、その最高峰であり、多くのファンを魅了するスペクタクルな世界です。お子さんが目指しているのは、まさにその華やかな舞台なのです。



(2)プロ野球選手になる確率はどのくらい?
毎年行われるドラフト会議で、プロ野球チームが指名するのは平均して7人ほどです。12球団すべてを合わせても、指名されるのはたったの84人。その84人の中でも、高校生と大学生から選ばれるのは約63人と推定されます。これを全国の高校球児や大学生と比較してみると、高校3年生で約55,000人、大学4回生で約6,500人がいます。これらを合計すると約61,500人。つまり、この61,500人の中からたった63人がプロ野球選手になるわけです。この確率は約0.1%という非常に低い数字です。※アイデア数理塾から引用
これは決して夢を諦めさせるための数字ではありません。この厳しい現実を知ることで、親子で協力し、どのような努力が必要なのかを具体的に考えるきっかけになります。

(3)プロになるための道とは?さまざまなプロの道
まずどんなプロ野球選手でも始まりは家族や友だちとのキャッチボールだと思いますが、そこから最も有望なプロへの道は小・中・高校と強豪チームに所属することであることは確かです。しかし、そんな王道以外からのプロ入りで活躍している選手はいくらでもいます。それぞれを整理したものが下の表になります。
有望ルート (エリート=高確率) | 多数ルート (一般=低確率) | |
小学校時代 | 強豪硬式チーム(リトルリーグ・ボーイズリーグ) | 軟式地域チーム、硬式チーム |
中学校時代 | 強豪硬式チーム(リトルシニア・ボーイズリーグ) | 軟式野球部(部活)、硬式チーム |
高校時代 | 強豪硬式野球部(部活) ➩プロ入り | 硬式野球部(部活) ➩プロ入り |
大学時代 | 強豪硬式野球部 ➩プロ入り | 硬式野球部 ➩プロ入り |
社会人 | 企業チーム、独立リーグ ➩プロ入り |
表の通り、なるべく低学年から強豪チームに入り、チーム内競争に勝ち、次の年代でも強豪に推薦されて、エリート中のエリートを勝ち取っていくことが最短のルートとなります。しかし、人の成長や運命はタイミングも含めてどう転ぶかわかりません。強豪チームでなくても努力を続けることでプロ入りを成就させた人の方が多いといえます。

また、野球に関わる職業は数多く存在します。野球解説者、スポーツライター、球団職員、少年野球指導者、スポーツトレーナー、野球用品開発者など、様々な形で野球界に貢献できる道もあります。時と場合によってはそういった話をしてあげるのもいいでしょう。いずれにしても、野球を通じて得られる礼儀、努力、仲間との絆は、人生の財産になります。
3.プロ野球選手になるための具体的な道筋と親のサポート
(1)小学生時代のサポート
この時期は、何よりも「野球を楽しむ」ことが大切です。
家族や友だちとの野球のまね事や野球の話題の積み重ねから、野球少年のヒストリーが始まります。


①地元チームへの所属検討
遊びの野球に飽き足らない様子であり、本人に意思があれば、地元の少年野球チームへの参加を一緒に検討しましょう。いきなりレベルの高い硬式ボールのチーム(リトル・ボーイズ)ではなく、軟式ボールのチームに入る方がいいでしょう。チーム所属までに用具の購入も必要になります。
☝️肝心なのは「向上心・自立心・楽しむ姿勢」があるか
☝️グローブを大切にする気持ちを教えよう。

野球用具はさまざまあります。周りの影響からお子さんが多くを欲しがることもあるでしょう。しかし最低限必要なのはグローブだけということも認識しましょう。もちろん他の用具も購入するでしょうが、他や次に目移りすることなく、自分のグローブだけは大切に使い続ける心を教えましょう。
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②自宅でのトレーニング
チームに所属した後は、状況について日常的に対話して、把握・理解・激励しましょう。そして本人が求めれば、自宅でできる簡単なトレーニングを一緒に取り入れるなどサポートしましょう。プロ選手や甲子園出場選手が、少年時代に親子で自宅練習していた話は、非常に多く聞きます。

自宅練習で多いのが、ティーバッティング(下から投げるボールを打つ)。「屋外にネットを設営した本格化」から「室内で丸めた紙を打つ」までさまざまあります。







③一緒にプロ野球観戦
プロ野球の試合を普段は一緒にテレビ観戦、可能であればスタジアム観戦にも連れて行き、プロのプレーに触れる機会を作りましょう。


(2)中学生・高校生時代のサポート
この時期になると、体力や技術も向上し、より専門的な指導が必要になる場合があります。部活動やクラブチームでの活動を通じて、実践的なスキルを磨くとともに、自主練習や体調管理などの自己管理能力を身につけさせることが重要です。
最も大事なことは、チーム活動への注力と成果ですが、お子さんの意欲に応じて親ができる支援は以下になります。
①食事提供による栄養サポート
栄養バランスの取れた食事の重要性を共有して、食事の調達や調理を行い、サポートする。


②施設等活用によるフィジカルサポート
スポーツ整体やフィジカルトレーニング施設を活用し、整体、筋力向上、ケガ予防をサポートする。


③心技体の向上サポート
野球スキルに限らずメンタルトレーニングなどの書籍やメディアを紹介して、心・技・体それぞれの向上をサポートする。




④アカデミー等の専門施設の検討
野球アカデミーや専門スクールの情報を収集し、入学を検討する。主に都市部には、このような元アスリートやプロ球団自体が運営するスクールやチームがあります。イメージとして、エリート選手育成施設でありますので、その時点のお子さんのレベルによっては、活用して確実な実力アップを図りましょう。
⑤進学時の進路選択サポート
進路については、特に高校野球を「どこで、どのように」というのが将来に大きく影響します。強豪校への留学、地元校への進学、様々な選択肢があります。お子さん自身も周囲から多くの情報を得てきますが、実力、性格、将来を総合的かつ客観的に考慮し、最適な進路を一緒に選択することが重要です。
4.スーパースター少年時代の親子話~大谷選手他5大スター~【当時の画像付】

【大谷翔平】
父と息子。その関係は、ミニサイズのキャンパスノートでもつながっていた。表紙に「野球ノート」と書き込まれたノートは、父と息子の野球における交換日記のようなものだった。徹さんがその日の評価やアドバイスを書き、翔平は試合での反省や今後の課題を記した。「たぶん小学校5年生ぐらいまで続けましたので、2~3冊にはなったと思います」「字で書き残すことによって、しっかりとやるべきことを頭に入れてほしかった。つまりは、練習における意識付けですね。野球ノートを始めたいちばんのきっかけは、そこにありました」 東洋経済ONLINEより引用 画像は子ども応援便りより

【イチロー】
小学3年生で地元のスポーツ少年団に入りましたが、当時は日曜日しか練習がありませんでした。すると一朗が、「平日はお父さんと野球する」と言い出して。毎日、学校から帰って来てから暗くなるまでキャッチボールをしたものです。
高校に入学したての頃に投手として散々打たれた後に、「野球をやめたい」ともらしたことがりました。私は理由を一切聞かずに、「後悔先に立たず、ということがある。自分でしっかりと考えなさい」とだけ言いました。見守ることに徹したのです。子どもが落ち込んだ時は、見守ってあげる大人が必要だと思います。そうすれば、子どもはやがてまた、自分で歩き始めるはずですから。 子ども応援便りweb版より引用 画像はamebloより

【松井秀喜】
2歳の後半に兄が父とキャッチボールをやりだすと、自分もやりたいと父を困らせ、なんとか幼な子が使えそうなビニール製のグローブを探し出し、3人でキャッチボールをやりだすと、今度は、兄と同じスピードの球を投げて欲しいと言い出すくらいの負けん気の強さ。それでも父は、親としての振る舞いとして、秀喜さんを一人の独立した人格とみて、敬意をもって接することを心がけてきたそうです。心から愛されて育った子どもは、人を心から愛することができるようになる。秀喜さんの原点は、この親子関係から生まれてきたのでしょう。 能美市HPより引用 画像は現代ビジネスFRaUより

【ダルビッシュ有】
子どもたちは3人とも男ですから、汗を流して勝つことの喜びとか、負けることの悔しさとかを経験させようと思いました。有もサッカーとかをやらせたんですけれど、ボールを投げたがるんですね。それで、野球を本人が選んだので、わたしはサポートにまわりました。わたしは、野球を知らなかったから、子どもといっしょにグローブを買って、最初からスタートしました。親子でいっしょになってということを大切にされます。日本では、父親は仕事だけ、家庭では母親任せ、というパターンが多いようですね。イランでもアメリカでも、やはり、お父さんの役割は、家族の中だけでなく、コミュニティの中でも生かさないといけません。ただ、わたしは、お父さんの姿を見せたかったんです。他の日本人のお父さんと変わらないよ。やることはちゃんとやってるというところは意識しました。 別冊クラッセより引用 画像はAmebaYUDARVISHより

【村上宗隆】
小学生から野球に取り組んだ村上選手。実家の庭で父・公弥さんと、ある特殊な練習を行っていました。「この物干し竿、あるじゃないですか。『これを振れ』って。どうしても小学生ってスイングが小さくなるじゃないですか。『大きく振れ』」豪快なスイングは物干し竿を使ったこのトレーニングから生まれたかもしれません。
幼いころから練習を重ねた実家の庭。何度もスイングをした場所は今でも草も生えないほどまでに踏み潰されています。「負ける度に悔しくて、打てなくなったらあそこで素振りする。前に窓ガラスもあるので、ちょうどバッティングのフォームも見られるのです。私の原点です。」 テレ朝ニュースより引用 画像はデイリー新潮より
5.まとめ
お子さんの「プロ野球選手になりたい」という夢は、確率的には非常に困難な道のりです。しかし、その過程で得られる経験と成長は計り知れない価値があります。親として大切なのは、夢を否定せずに現実的なサポートを提供し、結果に関わらず子どもの努力を認め続けることです。プロ野球選手になれなくても、野球を通じて学んだ協調性、忍耐力、目標に向かって努力する姿勢は、お子さんの人生において大きな財産となるでしょう。

親子で一緒に夢を追いかける時間こそが、何よりも貴重な思い出となり、親子の絆を深める機会となるはずです。その時間は長くて5年前後、子育て期間のたった1/4、人生80年の1/10です。私も過ぎた今、痛感しています(笑)
お子さんの夢を応援する気持ちを大切にしながら、長期的な視点で成長を見守り、どんな結果になっても誇りに思える道のりをお子さんと一緒に歩んでいきましょう。


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